top of page

寝たきりの子の体位変換からの脱線

特に中型犬~大型犬のわんちゃんが寝たきりになってしまった時に注意したいのが『褥瘡(床ずれ)』。

何らかの理由で体内の組織に流れる血液量が減少し、酸素や栄養の供給が少なくなるとその部分がダメージを受けてしまいます。

酸素や栄養の供給が絶たれたままの状態が一定時間続くと、細胞が死滅して壊死を起こします。それが褥瘡です。


原因は、皮膚や皮下脂肪組織、筋肉などの軟部組織が圧迫される事ですが、例えば皮膚が引っ張られることで血流が悪くなり、その結果褥瘡が出来てしまう事もあります。

これは、寝たきりの状態でなくとも条件さえ揃えば褥瘡になってしまう可能性を示唆しています。


誘因として、皮膚が擦れてできる表皮の傷や尿、便の付着など皮膚の不衛生な状態が考えられます。

褥瘡には、組織への圧迫や擦れ、引っ張られるなどの力が組織にかかった時間とその他の様々な条件が関与しています。


褥瘡が出来てしまったら

組織が健康であれば、圧迫などの原因を除外、除去する事で速やかに治癒していきます。

しかし栄養状態が良くない場合や基礎疾患がある場合には治りが悪いだけでなく、皮膚に穴が空いたままの状態になってしまう事もあります。


褥瘡が出来やすい部位

腰部、肩、肘、頬、足の関節など皮膚の下にすぐ骨があり、寝ている時に床面や寝床にあたる部分に褥瘡は出来やすいです。

特に、腰と肩の部分は体重がかかったり皮膚が頻繁に擦れたりするため褥瘡がよく見られます。

症状として、皮膚が赤くなる、ひふがえしする、皮膚に穴が空き骨が見える等様々です。


褥瘡治療におおきく関わる要因

体重、傷の場所、深さ、栄養状態や基礎疾患などです。

そのため、治療を行うには褥瘡の状態だけでなく全身の状態に合った治療を行うことが重要です。


褥瘡予防

人の場合2時間以上続けて同じ部位が圧迫されないように体位変換をする必要があると言われていますが、犬の場合体重もまちまちのため、体位変換の時間も異なります。


⭕️安全な正しい体位変換法⭕️

『しっかりと抱き上げて上体を起こしてから反対側を向かせて寝かせる事』

❌危険な体位変換❌

解剖学的に、腹腔内の臓器が背中にぶら下がっている状態であることから、『背中を軸として足を持ち上げて向こう側に返す』ような体位変換は、内蔵へ負担(ストレス)がかかります。

老齢になると臓器にも張りが無くなり、このような方法で体位変換を行うと場合によっては捻転を起こす危険性があります。


❁シニアの子のお世話をされている飼い主様❁

朝から晩まで頑張りすぎると、日々の生活にも支障が起きてどこかで怒りが爆発してしまったり、家族に当たってしまったり、こんなはずじゃないのにと自分を責めてしまいます。

大切な家族だからこそ無理のないお世話を考えていきましょう。

介護は1人でこなせるお世話ではありません。

事前にご家族と話し合い、それぞれが時間や曜日別などでお世話を分担すると1人にかかる負担を軽減できます。

また、それにより犬や猫の状態を全員が把握することが出来るというのはとても大きなことです。

新たな発見やより良いお世話の仕方についても意見が出ることでしょう。


御家族や頼れる人がいない場合は、経験とスキルを持つ専門にご相談ください。


※当店は抱える件数に限界があるため、ご予約は早め早め早めでお願いしております。

0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page