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介護犬、奮闘期は夜

介護犬のお世話に日々奮闘されている皆様、本にお疲れ様です。


夜、寝不足の飼い主様に追い打ちをかけるかのような愛犬さんのシャウト。ジタバタ。

これが毎晩続き、その都度抱きかかえたり歩行器へ乗せたり飲食させたり。

この苦労は介護犬のお世話を経験した方でないと分からなくて、第三者が話を聞いただけではきっと深い理解は得られません。

人間の最大欲求で最も重要なのは睡眠だと思っています。眠ることが出来ない状態は心底辛いものです。育犬ノイローゼ、介護犬ノイローゼです。

もうここまでたどり着くと、なんやかんやの綺麗事では済まされないんですね。

昼間お仕事されている飼い主さんであれば、もう、、


頼れるのはご家族、病院、当店のような受け入れがある施設ぐらいでしょうか。

かかりつけの病院さんからの適切なアドバイスは頂いていますでしょうか。

老犬や介護犬の子が多く通われている病院さんなら、色んな子を診察してきて知見があるので状態によって的確な助言を頂けるかもしれません。

病院選びはここでも重要となります。


病院でも施設でもかかってくるのは費用。

もし、飼い主様に余裕がおありなら、昼間だけ見てもらえるお預かりの仕方を検討されてみてはどうでしょう。

この場合病院さんによっては難しくなるので、シニア犬のお世話に強そうなペットホテルが良いかと思います。(どうやって探すか?口コミや直接の問い合わせでしょうか。。)

昼間、なるべく寝ないようにお散歩へ行ったり歩行器を使って体を動かしたり、食餌などで時間を費やしてもらうことで、昼夜逆転を改善まではいかなくとも生活リズムは良い方向に向けるのではないかと思います。

実際に当店でも昼間のお預けは推奨しており、飼い主様からは、『これまでは仕事中や外出中も愛犬の様子が心配で気が気ではなく、帰宅後の状態もどうなっているかドキドキしていたが、預けるようになったら一つ肩の荷が下りて安心して出かけられる』というお声を頂いています。


専業主婦の飼い主様やお家でお仕事をされている飼い主様にとっても同様です。

施設に預けることで昼間ずっと寝ているという状態を改善でき、そして飼い主様は家事や育児、在宅ワークに集中しながら適度な休憩をもとることが出来る、心身ともにゆっくり休む時間を一時でも取って頂く事は介護においては特に大切なことです。


さて、昼間のお預け情報はここまでにして、夜の奮闘編です。

なんで泣いているの?どうしてそんなに吠えるの?わかりません。

何か食べたら落ち着くかもしれないし、抱っこしてもらえたら満足するかもしれません。

赤ちゃんのようにドライブの揺れで眠る子もいるかも。

寝たきりや介護初期は愛犬さん自身がまだ歩きたい、動きたいの気持ちが強い子もいますので、後肢ハーネスや歩行器などの準備も必要です。

飼い主さん、体力勝負です。


*温浴*

寝たきりなど自立できない状態になると血流が悪くなり四肢の末端が冷えることで吠える場合もあります。

冬は37~38℃、夏は35℃くらいのお湯を用意します。量は人で言う足首のあたりまでで大丈夫です。

立ち上がらせながらの足浴が難しい子は歩行器の他、リラクッションやリラたっちなど、自立を補助してくれるアイテムを使うと良いですね。

当店では、Basics Derm Careのダーマモイストバス使用しており、人肌くらいの温度のお湯に適量垂らして足湯や半身浴、蒸しタオルにして肢やお腹、背中にあててあげています。

前の足先から始め、お湯をすくって前足の付け根くらいまでゆっくり揉みほぐしながらやっていきましょう。

後ろ足も同様で、鼠径部あたりまで揉みほぐし、慣れてくるとお口周りやお尻周りも出来るようになると思います。


★リラックス効果+・・・ラベンダーやローズ、ミントなどの精油

★デトックス効果+・・・お風呂用のマコモ(通販購入可)

★シニアにありがち肉球ツルツル効果+・・・クロモジの精油や茶葉

★四肢先等の末端が冷えている子の温め効果+・・・炭酸泉


*あずきカイロ*

シニア期の冷え対策は水分補給と同じくらい大切です。

冷えと血行不良は内臓機能や皮膚、関節などあらゆる場所に影響を及ぼします。

あずきには水分が多く含まれており、レンジで加熱すると水分が蒸気となって出てじんわりと体を温めてくれます。

天然繊維の赤ちゃん用靴下とあずき60g、手縫い針といとを用意し、靴下の中にあずきを全量入れ靴下の口を縫い止めます。

★あずきの偏り防止の為、靴下の中心あたりにひと針ポイント刺繍をしておくと良いでしょう。あとはレンジで加熱して使用します。


*床ずれ防止*

床ずれは、寝床と接する部分に体重がかかり、圧迫されることで血流不足となります。

すると皮膚の表面に酸素が行き渡らず皮膚組織がただれたり傷がついたりします。

他にも、床ずれは通気性の悪さや濡れからの蒸れからも起こします。

床ずれが起きやすい部位は、頬、肩、手根部(前肢付け根の出っ張った骨)、肘、腰部、足根部(後肢)です。痩せてきたときに骨が目立つところは要注意です。


ドーナツ型のクッションは寝床と体重がかかる部位の間に置きますが、体勢を動かしてもズレる心配が無い使い方として、ドーナツ型クッションを前肢や後肢にはめて使用する事も出来ます。なのであてたい部位によって作るサイズも変わってくるかと思います。

中材:プチプチなどの緩衝材

表面:シルクの布、百均にあるくっ着く伸縮包帯

他、セロハンテープなどの止めるテープ類(伸縮包帯を使うときは不要)、手縫い針、糸


私はくっ着く伸縮包帯とプチプチだけで作りますが、手間暇惜しまず作られたい方は上記のようなものを使って作って頂ければと思います。

プチプチはとりあえずまーるく作ってもらえれば良いのですが、穴の大きさは愛犬さんの肢より一回り大きいぐらいにすると良いかと思います。

靴下など履いた上からはめるとGOOD.



*水分補給*

前回も書いたかもしれませんが、症状が進むとお水の飲み方も変化し、上手に飲めなくなっ

てくることがありますので工夫が必要です。

固ゆで卵の黄身1つをヤギミルク120ccに混ぜてよく溶かします。

ヤギミルクの代わりにアーモンドミルク、麹甘酒、犬用牛乳でも◎

より簡単な水分補給をという場合は、お肉のゆで汁、ヨーグルト、甘酒、ライスミルク、トマトジュース、リンゴジュース、ニンジンジュースを2~3倍に薄めたものも◎


長くなってしまったので今日はここまでに。

皆様の愛犬さんに少しでも参考となれば良いですが、色んな状態、症状があると思いますので必ずこれが良いと言えるものはありません。


1つアドバイス出来る事は、煮詰まり過ぎるといいアイデアは出て来ず、気分転換に外をただ歩いてみたり、お家の中のしぶとい汚れを無心に掃除している時なんかにパッと良いことが思いついたりします。頭をすっきりさせる時間も確保しましょう。

介護犬のお世話はどれだけ楽して出来るかを考えます。

頑張りすぎるのが介護ではありません。それは後悔に繋がります。

そばに居る人に頼る。ご家族がいるなら大いに巻き込んでください。協力してやるのが当たり前なのですから。寝不足も共有です。家族ですから。



 
 
 

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